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プロジェクトの現場から 2013年8月

立ち退きを迫られた住民たちの現在
スモーキーマウンテン支援チーム(FIT)氏田楓

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立ち並ぶコンクリートの家々(再定住地バッチャの様子)

再定住地を訪問して
FIT(スモーキーマウンテン支援チーム)が立ち退き反対の署名活動を開始してから約1年が経とうとしています。先日、現地スタッフから、政府が用意した再定住地を視察した際の報告が届きました。
視察先は、政府がスモーキーマウンテンの住民に提案している再定住地の一つである、ブラカン州ボカウェ地区バッチャです。スモーキーマウンテンから真っ直ぐ向かっても車で1時間15分程、公共交通機関を使用すればその倍はかかってしまう所に位置しています。2013年2月、スモーキーマウンテン内で、フィリピン政府全国住宅局が「自主立ち退きに応じれば、バッチャ再定住地に住居を用意する」という内容で、住民の中から希望者を募り始めました。以降、スモーキーマウンテンから約200世帯が移住しました。

都市スラムからの移住者が集まる再定住地
再定住地バッチャは、全く木陰がなく、強い日差しが照りつける住宅地です。かつては稲作や放牧が行われていましたが、住宅地に転換された結果、地域内での食糧生産はほとんど行われなくなりました。
全国住宅局が提供する住居は無料ではありません。移住の1年後から30年間は月200ペソ(約500円)を支払わなくてはいけません。家はセメントの壁とトタン屋根でできたとても質素なつくりで、室内は気温が高く、かなり暑いようです。電気が午後6時~午前6時までしか使用できないため、扇風機も役にはたちません。日中は外も日陰がないので、家の中で静かにしていると住民は言っています。
生活水については、手汲みのポンプが地区内のいたるところに設置されており、井戸水をくみ上げています。しかしこの水は洗濯と皿洗い程度にしか使用できない水質で、飲み水はミネラルウォーターを購入する必要があります。スモーキーマウンテンと比べれば犯罪や暴力の少ない平和なコミュニティですが、設備の整った病院はなく、診療所しかありません。バスケットコートなどの娯楽施設はもちろん、学校、幼稚園、教会といったフィリピンの人々の生活に欠かせない基本的な施設すら地域内にはないため、不便が生じることは多々ありそうです。小学校に関してはトライシクル(三輪バイク)で片道20分かかる所にあります。


生き延びるための人々の努力
無題
現在も工事が進められる再定住地

再定住地への移住の最大の問題は生計手段が乏しいという点です。バッチャには仕事がほとんどないため、生活費を稼ぐために結局はマニラに通うことになります。バッチャからマニラまでの交通費は、彼らの1日の稼ぎ約100ペソ~200ペソに対して、往復140ペソ。交通費を節約するため、危険を承知で平日はマニラの路上で寝るという人もいます。家に帰るのは週1回~月2回ほどで、生活費を稼ぐために家族が離ればなれで暮らさざるを得ない状況です。
平和なコミュニティーとはいえ、生計手段がない状態で生活するのは大変困難なことです。今後、移住した住民や、今もスモーキーマウンテンで暮らす住民は何を望み、何を選択するのか。私たちFITはその住民の方たちの選択、決断を尊重し、サポートを続けていきます。今後ともご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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フィリピンと日本で貧困問題に取り組む、国際協力NGOです。

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